タンポポ

「3月のタンポポ」制作物語

 

《序章》

2011年3月11日の午後2時頃まで、、、
誰が、今のこの日本の現状を予測できたでしょうか?

それは現実に起こってしまいました。

横浜の自宅作業部屋でアコースティックギターを録音していた時、
最初は小さい揺れだったのが、段々大きくなり、、、
怖くなって外に飛び出したところ、、、

今まで体験したことのない揺れがやってきました、、、。

駐車場の車が信じられないくらい縦に跳ねて、
電信柱が尋常でないくらい揺れました。

これはただ事ではないと直感で思いました。

テレビをつけて情報を見て、、、
最初の頃はそれほど被害は無いように思いましたが、
時間の経過と共にその被害状況が分かってきて、、、
愕然としました、、、。

地震そのものの被害からはじまり、、、
津波、原発事故、、、

これが現実なのか?

目を覆いたくなるような映像が
毎日テレビから流れました、、、。

その後も余震の恐怖、計画停電、物資不足、、、。

想像を遙かに超える被害、、、
それは「ココロ」も同じでした。

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《オリジナルバージョン制作》

大地震発生からしばらくの精神状態は、
やはり普通ではなかったと思います。

それほど被害のない地域の自分でさえこんな状態なのに、
被災地の皆さんは一体どれほど辛いんだろう、、、

そしてそんな皆さんのために自分は何が出来るのだろう。

音楽なんて必要ないのでは?
音楽なんてやってる場合じゃないのでは?
自分はなんて無力なんだろう、、、。

ココロの中で正直色々な葛藤がありました、、、。

愛犬「カル」の散歩中、
まだまだ真冬並みに寒かった3月なのに、、、
一生懸命咲いている「タンポポ」を見つけました。

すごくココロに食い込みました、、、。

とにかくは、、、どんなことがあっても
こんな風にしぶとく「生きなきゃ」と思いました。

 

その夜、そんな気持ちを題材に
「3月のタンポポ」という曲を作りました。

ただただ単純に、、、
被災地の皆さんや、ダメージを受けた全ての皆さんが
この曲を聴いて、、、
ほんの5分間くらいだけでも、
「ほっ」としてもらえれば、、、

そのためだけを思い作りました。

音楽の神様が降りてきたのでしょうか?
短時間ですーっと出来上がりました。

レコーディング後すぐにviBirthさんにて配信。
収益金はもちろん、
日本赤十字社の東日本大震災義援金として寄付。

沢山の皆さんから「癒されました」というメッセージを頂き、
本当に作って良かったと思いました。

「3月のタンポポ」オリジナルバージョンの映像はこちらに!!

http://www.youtube.com/watch?v=mVI_F0WOZ0k

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《Smash Room ver.制作》

その頃からココロが固まってきました。

自分は音楽を作るべきなんだと。

こういう時だからこそ、
みんなのココロが「ほっとする」音楽を作るべきなんだと。

本当に必要なのは、
住む所、衣服、水、食料、燃料かもしれないけど、、、

ココロの救いも大事なんだと。
音楽はココロを救うチカラがあると、、、。

実際音楽に助けられた自分のココロが証拠に
そう思いはじめました。

「3月のタンポポ」オリジナルバージョン配信後
ふと思いました、、、

アコースティックギター1本で作った曲に、
もっと色んな楽器を入れたら素敵だろうなと、、、。

よく考えてみたら、、、
私のすぐ身近に素敵なミュージシャンがいっぱいいるじゃないですか、、、。

想像したら居ても立ってもいられなくなり、
私の所属する「Smash Room」のミュージシャン全員に声をかけました、、、。

最初は、、、
何人かでも賛同してくれる人がいれば、、、
と言う気持ちだったのですが、、、

何と!!全員、、、企画に賛同、、、。

感動と興奮で泣けてきました、、、。

ギター、ベース、キーボード、ドラム、
各セクションごとで話し合ってパートを決め、

その後各自自宅で録音してきた音を私に送ってもらいました。
中には自分でスタジオ代を出して録音してくれたミュージシャンもいました、、、。

全然バラバラの場所から、、、
一つの思いで送られてきた命の音、、、

それらをバランスよくミックスして作った物が、、、

「3月のタンポポ」Smash Room ver.です。

一つ一つ送られてきた音源を立ち上げると、、、
一人一人の思いが伝わりました。

「小林 哲也」君のエレピは素朴で切ないです。

右側の「生本 直毅」君のアコギは私のアコギと絶妙なハーモニーを生み出しています。

左側の「ちいた 」さんのドラムは、全体のリズムを引っ張ってくれています。

「鈴木 崇仁」君のパッド的エレキギターは、目立たないですが大事な役割を果たしています。

「小島 剛広」君のAメロに入るベースはココロに響く低音です。

「平元 純平」君のBメロに入るベースは切ないですね。

「FIRE」氏のメロディーを奏でるベースは「楽器」が歌っています。

「工士 洋史」君の「E-BOW」は、曲の出だしから色をつけてくれています。

右側の「浜口 高知」君のエレキギターは天才的なリフがちりばめられています。

「戸谷 誠」君のエフェクトエレキギターは、奇想天外で曲をドラマチックにしてくれています。

「黒田 元浩」君のCメロウッドベースは、メロディとのからみが抜群ですね。

「塚本 史朗」君の所々に入るエレキギターのオブリガードが心に染みます。

「eji」さんのアコースティックピアノは女性らしい華麗なプレイです。

右側の「石井 悠也」君のドラムもいい感じ、特に後半のドラムロールは聴き所です。

「Cheri」さんの間奏に入るコーラスは泣けますね。

「杉村 良介」君のジャンベとベルは曲のアクセントとなっています。

みんな素晴らしいミュージシャンです、、、。

この音源を制作する事でココロが救われたというミュージシャンも多かったです。

そう言う意味でも作って良かったなと思いました、、、。

「3月のタンポポ」を合い言葉に、
Smash Room所属ミュージシャン、スタッフ一同で
日本赤十字社の東日本大震災義援金として、
「タンポポ募金」もさせて頂きました。

「3月のタンポポ」Smash Room ver.の映像はこちらに!!

http://www.youtube.com/watch?v=mSJbZ0PF5S0

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《ChageのOTOMODACHI大作戦 ver.制作》

曲を聴いた皆さんから
「どなたかが歌っても素敵でしょうね」というメッセージも頂きましたが、、、

実は同じ事を自分も思っていたのです、、、。

「Chage」さんが歌ってくれたらすごくいいだろうな、、、って、、、。

アルバム「&C」の「ふわり」という曲が、
Chageさんの声やお人柄とぴったり合ったし、、、。

この曲のイメージは絶対Chageさんと合うはず、、、。

無理かな?、、、いやChageさんなら絶対、、、
いや、、、Chageさんも色々あるだろうし、、、厳しいか??

そんな事を悶々と考えると同時に、
Chageさんバージョンの「3月のタンポポ」を想像し、
もの凄く胸が熱くなり、、、。

「よし!当たって砕けろ精神だ!!」

次の日、
Chageさんのプロデューサーである「山里 剛」さんに、
熱い胸の内をメールで伝えました。

その後何日か経って、、、山里さんから電話があり、、、。

「Chageさんオッケーだよ!!」

レコーディングの合間だったのですが、
その場で飛び上がりました!!

「えっ!!ほんとですか?!、、、
やったー!!ありがとうございます!!」

しかも、、、

「松井 五郎さんが歌詞を書いてくれるって!!」

震災の事で落ち気味だったココロに、
ぱっと花が咲いた感じでした。

 

そこから、、、

「3月のタンポポ 」ChageのOTOMODACHI大作戦 ver.

のプロジェクトは進んでいきました。

 

Chageさんのアルバム「&C」や「Chageの細道」で
活躍されたミュージシャンも是非参加していただきたく、、、

「企画書」なるものを制作、、、
そして皆さんに問いかけました、、、。

もちろん、みなさん企画に賛同して下さいました、、、。

音源の基本は「Smash Room ver.」ですので、
「Smash Room ver.」に参加してくれたミュージシャンにも問いかけましたが、
もちろん皆さん賛同。

しばらくして「松井 五郎」さんの歌詞が上がってきました、、、。

素敵でした、、、。

景色が見えて、人生が見えました。
生きる事のすばらしさを感じました。

松井さんとは何もミーティングしてませんでしたが、、、
地震直後のあの頃に、
一生懸命咲くタンポポを見たときの気持ちがよみがえりました、、、。

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《レコーディング》

まずレコーディングは
歌入れから始まりました。

4月18日

ワンボイススタジオにて、
「Chage」さん 「村上 啓介」さん 「Cheri」さんの歌を入れました。

3人の歌は、、、感無量でした、、、。

Chageさんの歌、、、
なんなのでしょうか?
第1声目からぐっと引きつけられる、、、
切なくなる歌声、、、。
歌が人生そのものを表現してる、、、そんな気がしました。

村上 啓介さんの歌は、、、
一言一言が深い意味を持つ、
そんな感じがする説得力のある歌でした。

Cheriさんは、阪神大震災で被災された経験があり、
独特の節回しの中から
元気と勇気を感じる力強い歌でした。

スタジオには松井五郎さんもいらっしゃって、、、
大変気に入っていただけました、、、。

Chageさん、村上 啓介さんと一緒に記念写真も撮りました。


4月19日

「久松 史奈」さんの歌入れをやりました。
史奈さんの歌は、、、
抜群の存在感でした、、、さすがです、、、。

 

その後すでに録音されているトラックに
若干の修正が必要でした。

何故なら、メロディを奏でている楽器も多く、、、
そこに歌を入れると「メロディ」だらけになってしまうからです。

全編メロディの私のアコギを全て録り直しました。
ejiさんもピアノを歌に合わせて弾き直してくれました。
黒田 元浩君も歌やストリングスが入りやすいようベースラインを変えてくれました。

 

5月4日

この日はまず間奏に入る「吉川 忠英」さんのマンドリンを録りました。
その後、曲が終わってからの「エンディングギターソロ」
、、、さすがでした、、、。
日本を代表するアコースティックギター奏者ならではの名演でした、、、。

その後、
「根本 久子」さんのパーカッション。
色々演奏して下さいましたが、、、初めて見る楽器も多かったです、、、。

まずは「アンクルン」

なんて涼しげな音でしょう、、、。
この音は落ちサビに入っています。

そして「ホース」

ヒューンヒューンと言った感じの音ですが、、、不思議です、、、。
これはエンディングに入ってますね。

極めつけはこれ、、、
「ドナセラ」と「裏山の笹」

もはや楽器を越えていますね、、、。
これもエンディング等に入っています。

この一連のレコーディングで、
目から鱗が落ちた気がしました、、、。

何か自分の中で「可能性」が広がった気がしました。

「一ノ瀬 久」君は、
一発入魂のシンバルを叩いてくれました。
すごくよかったです。

みんなで記念写真を撮りました!!


レコーディング後、
「中山 信彦」さんの音も送られてきました。
奇天烈な発想の中山さんの音は、この曲のスパイスになっています。
イントロ等の不思議な音が中山さんの音です。

その後、、、
「十川 ともじ」さんのストリングスアレンジデモが上がってきました、、、。

1stバイオリン 2ndバイオリン ビオラ チェロ
それぞれ2本ずつのダブルカルテットの形態です。 

正直泣けました、、、。

歌と絡みつつも、
メロディラインが生き物のように躍動感を持っていて、、、
間奏前のラインはまさかの「セブンス」を使って不思議かっこいい、、、。
アイリッシュな節回しも凄くこだわりを感じました。

間奏の部分の、忠英さんのマンドリンをもう少し引き立たせるように、
若干の修正をした後、、、

楽譜等の資料を「渡辺 等」さんと「MIZ」さんに送りました。

2人とも自宅で録音して、それを送ってもらいました。

MIZさんから送られてきた音源は、とても素晴らしいものでした、、、。
ピッチもリズムも音も、、、自宅録音のレベルを超えていました。

当初、MIZさんはバイオリンを、ビオラは違う方が演奏の予定でしたが、、、
結局両方ともMIZさんが弾かれたそうです、、、。

しかも、、、ダブルカルテットなので、、、
バイオリンは2種類の楽器で2本のトラックを作ってくれました。
それが音の深みにもなってますね。

MIZさんはこのプロジェクトが始まると同時にSmash Room所属になりました。
これからも活躍されると思います。

 

間もなく渡辺 等さんから音源が届きました。

存在感があり、歌うようなチェロ、、、。
そして不思議な響きの「プサルタリー」
これはエンディングに入っています。

等さん、、、相変わらずただ者じゃないですね、、、。

長い道のりでしたが、、、

これで全てのトラックが揃いました、、、。

 

Chageさんが歌って下さる事、、、
私はずっと、、、「奇跡が起こった」と表現していましたが、、、

4月18日のレコーディングが終わって帰り際、、、
エレベータの中でChageさんが私にぽつりと一言、、、

「すすむちゃん、これは奇跡じゃないからね。」

ぐっと来ました、、、。

これは「奇跡」ではなく「必然」だったのかもしれません、、、。

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《ミックス&マスタリング》

Smash Room ver.から色々なトラックが入り、、、
ゆうに100トラックを超す音源をミックス、、、。

これはプロの技でしかできません、、、。

「井川 英昭」さんはこの偉業をやりきりましたね、、、。

これだけトラックがあると、、、
いかに高性能のパソコンでもいっぺんに全てのトラックを再生するのは不可能、、、

幾つかのトラックをまとめて1本にする、、、
いわゆる「ピンポン」をやっていかねばなりません、、、。

色んな難関を乗り越えて、、、
めちゃくちゃ素晴らしいミックスをして下さいました。

何回か修正作業を重ね、、、
最後は井川さんの自宅にて最終チェック、、、
そしてミックスダウン、、、。

やりました、、、やりきりました!!
残すはマスタリングだけです!!

 

マスタリングは、
Chageさんのアルバム「&C」もやられている
「森崎 雅人」さんがやって下さいました。

アコースティック楽器メインのマスタリングは、、、
本当に難しいのです、、、。

森崎さんは、他の作業の合間に、、、
色々試して下さったみたいで、、、

1度細かい部分を修正して頂き、、、
2度目に上がってきたものは、、、最高のものでした、、、。

 

6月7日

「サイデラ・マスタリングスタジオ」にお伺いし、
森崎さん、ミックスした井川さんと、最終チェックをしました。

サイデラには、、、
こだわりの機材がいっぱいありました、、、。

超高そうなスピーカー、、、。

音源を再生する機材、、、。
振動を止めるものが敷かれています、、、。

こんな凄い機材で、、、

接続するケーブルも曲によって変えるそうです、、、。

そんなこだわりの機材で
マスタリングして頂いたものを聴いてみました、、、。

まるで目の前で演奏してるような、、、
歌ってるような、、、

それくらいクリアで、温かく、
繊細なフレーズも一つ一つ大事に出ていて、、、

命の音が繋がりました、、、。

聴いていて、、、ちょっと涙が出ました、、、。

これにて、、、
「3月のタンポポ 」ChageのOTOMODACHI大作戦 ver.
完成!!

3人で記念写真を撮りました。


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《ムービー》

「やはり映像も残したいよね」と言う話を
Chageさん達としましたが、、、

正直困りました、、、。

今までのバージョンは
私とSmash Roomのスタッフが作りましたが、、、
さすがに映像のプロではないので、、、
これ以上のクオリティにするのは難しい所、、、。

かといって、、、誰にお願いすれば、、、。

こちらも当たって砕けろ精神で、、、
LOVE☆コラボ等の映像を作って頂いている
「遠藤 隆之」さんにお願いした所、、、
こころよく賛同して下さいました、、、。

素材となる写真はChageさんが撮影したもの、、、。

それを、、、いい感じの映像にして下さいました!!

映像はこちらにありますので是非見て下さい!!

http://www.youtube.com/watch?v=69NtMutifPE

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《最後に》

いよいよ
震災からちょうど3ヶ月目の
2011年6月11日、、、

最終形である
「3月のタンポポ 」ChageのOTOMODACHI大作戦 ver.
配信開始しました!!

この一連のプロジェクト、、、
もちろん全ての作業において「無報酬」です。

それにもかかわらず、
参加していただいた皆さんから、、、
「こんな素敵なプロジェクトに参加出来て本当に嬉しい」
とメッセージを頂きました。

本当にココロから「ありがとうございます」を言いたいですし、、、
音源制作を通じて繋がれた事に感謝します。

ChageのOTOMODACHI大作戦 ver.制作のきっかけを作って下さった
山里 剛さんには、足を向けて眠れません、、、。
今回だけでなく、私が今こうやって音楽で生きて行けているのは、
何を隠そう山里さんのおかげなのです。
感謝の域を超えています、、、。

スタジオの手配をして下さった
「One Voice Komazawa Recording Studio」さん、「LA.FUENTE」さん
「サイデラ・マスタリングスタジオ」さんに感謝します。

色々無理なお願いを聞いて下さった
「viBirth」さんにも感謝します。

 

5月8日
自分のバンド「JUNK FUNK PUNK」福島ライブの前に、
実際に津波の被害を受けた被災地を見ました。その空気と匂いも感じました。

テレビで見る映像ではなく、、、これが現実だと知りました。

復興は100年かかる、、、そんな気もしました、、、。

現時点で原発事故も復旧のめどが立っていません。
頑張って寄付している義援金も、、、行き渡ってるのはほんの一部分、、、。
3ヶ月経った今も避難所生活の方がいらっしゃいます。

まだまだ問題が山積みです、、、

でも、生きなきゃ、、、

なんとかしなきゃ、、、。

そんな思いでこのプロジェクトを頑張ってきました。
企画に賛同して下さった皆さんも、きっと同じ気持ちだと思います。

 

このプロジェクトの目的は大きく分けて2つです。

1つは、、、
ただ単純に、、、
音楽で「ほっ」っとして頂く事。

2つ目は、、、
収益を義援金として寄付する事で、
少しでも被災地復興のため役立てる事。

この目的は制作者だけでは達成できません、、、

「3月のタンポポ」が制作者から飛び立って、、、
聴いて下さる皆さんに届いて、、、

初めてなし得る事です、、、。

それは、、、

例えば、、、

タンポポが綿毛になって飛んでいって、、、

皆さんのココロという大地で花開く様に、、、。

 

3月のタンポポ

作詞 松井 五郎
作曲 西川 進

冬の終わりを
待ち続ける道
どうして咲くのかを
花は知らない

注ぐ光に
ひろがる色から
次のはじまりを
探してる

それぞれに命が
ひとつの理由(わけ)は
心だけが
教えてくれる

風よ 風よ 空を渡って
めぐる春を 連れておいで
連れておいで

雲の名前を
覚える頃には
街が見えるほど
背が伸びる

遠く違う場所で
生まれてきた意味は
めぐり逢いが
教えてくれる

風よ 風よ 空を渡って
めぐる春を 連れておいで
風よ 風よ 時を繋いで
虹の向こう 見せておくれ
見せておくれ

風よ 風よ 空を渡って
めぐる春を 連れておいで
いつか きっと
連れておいで




© 2011 Nishikawa Susumu