a cry from darkness


どうして気付いてあげられなかったんだろう

あんなにも元気で 
物まねをしてみんなを楽しませたり
悩み事の相談にのってくれたり

ほんとに明るくて
ほんとに優しいから
みんな
あなたの事が好きで甘えていた

誰も知らなかった
誰も分かってあげられなかった
みんなあなたに甘えていた

どうして気付いてあげられなかったんだろう

あの日も色んな事をあなたはやってくれていて
私たちはほんとに楽しくて大笑いして
そしてあなたの笑顔にも助けられて
みんなあなたの事が大好きで

みんなでバイバイしたとき
きっとまた楽しい明日が来るはずで
あなたはまたおどけて
私たちは笑って
そんな毎日が当たり前に来ると思ってた

そんな大きな事を抱えているなんて知らなかったよ
そんなに悲しい事を背負っているなんて知らなかったよ
どうして気付いてあげられなかったんだろう

もう一度あなたに会いたいよ
会ってごめんねって言いたいよ

いつもの調子で冗談でしたって言って
おどけて帰ってきてよ
その後すぐ物まねで笑わせて欲しいよ

本当にバイバイした時
あなたの分まで強く生きろって言われたけど
そんなに急に強くなれないよ

あなたにいて欲しい
笑って欲しい
笑わせて欲しい

悲しい事や辛い事が無縁のようなあなたに
「だいじょうぶ?」って言いたいよ



小ちゃい女の子が泣いていた
思わず手を繋いであげた
女の子の手は今も壊れてしまいそうなくらい
弱々しくてやわらかい

とにかく今は
この子が泣き止むまで
手を繋いであげようと思った



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© 2010 Nishikawa Susumu